てんてけのちょっと役立つブログ

雑学を中心に、ちょっと役立つかもしれないブログです。

CopilotとClaudeどっちが優しいか

おひさしぶりです。てんてけです。

今日は「AI優しさ比較」をしたいと思います。

 

最新情報を引用元も添えて教えてくれるCopilotがなかなか使い勝手が良かったので、サブスクの「精密」モードで「重い炭酸水2ケースを女性が運ぶ時のポイント」を聞いてみました。

同時に、現在愛用中のClaudeさんにも同じ内容をコピーして答えてもらいました。

 

「わたしは女性です。これから重い炭酸水2ケース届くのですが、注意すべきポイントはありますか」

 

・Copilot

炭酸水のケースを運ぶ際には、以下のポイントに注意してください:

1. **ケースのバランスを保つ**:ケースが不安定にならないように、しっかりとバランスを取りながら持ち運びましょう。
2. **滑らないように注意する**:手が濡れていないか、床が滑りやすくなっていないかを確認し、滑らないように気をつけましょう。
3. **ゆっくりと動く**:急な動きは炭酸水のボトルに圧力をかけ、漏れる原因になることがあります。ゆっくりと慎重に動きましょう。
4. **重量を適切に分散する**:一度に多くのケースを運ばず、体に負担がかからないように適切な重量で運びましょう。

これらのポイントを守れば、炭酸水を安全に運ぶことができます。お気をつけて!

 

・Claude(Opus)

重い炭酸水の取り扱いには、いくつかの注意点があります。以下のポイントに気をつけて、安全に扱うようにしましょう。

1. 適切な持ち上げ方:炭酸水のケースを持ち上げる際は、膝を曲げ、背筋を真っ直ぐに保ちながら、腰ではなく足の力で持ち上げます。急な動作は避け、ゆっくりと体全体で持ち上げるようにしましょう。

2. 重量の分散:片手ではなく、両手で均等に重量を分散して持つことが大切です。体の中心に近い位置で持つことで、バランスを保ちやすくなります。

3. 持ち運び時の注意:炭酸水のケースを運ぶ際は、体に近い位置で抱えるようにします。視界を遮らないよう、顔の前ではなく、体の横で運ぶことを心がけましょう。

4. 障害物把握:運ぶ経路上の障害物や段差に注意します。つまずいたり、バランスを崩したりしないよう、足元をよく確認しながら運びます。

5. 無理のない範囲で:自分の体力や筋力に合った量を運ぶようにしましょう。無理な重量を一度に運ぼうとすると、怪我のリスクが高まります。必要に応じて、複数回に分けて運ぶことを検討してください。

6. 手袋の着用:滑りや怪我を防ぐために、運ぶ際は手袋を着用することをおすすめします。

7. 保管時の注意:炭酸水のケースを保管する際は、安定した場所に置くようにします。倒れやすい場所や、通行の邪魔になる場所は避けましょう。

もし、炭酸水のケースが非常に重く、安全に運べないと感じた場合は、無理をせずに、他の人に手伝ってもらうことを検討してください。

重い物を運ぶ際は、怪我のリスクがあります。腰痛や筋肉痛、打撲など、無理な運び方によって様々な怪我につながる可能性があります。自分の体の状態を考慮し、無理のない範囲で運ぶことが大切です。

安全に炭酸水のケースを取り扱うために、これらの注意点を心に留めておきましょう。もし不安な点があれば、専門家やお店の人に相談するのも良いでしょう。

 

 

Claudeさーん😭😭😭😭😭😭😭😭

軍杯→Claudeさんです!!

そもそも「女性です」という断りを入れたにも関わらず「同時に沢山運ぶな」と言ってきたCopilotさんはちょっとな。

そりゃムキムキで力持ちの女性はいるけど、わざわざ女性ですって断り入れた時点で「あ、自信ないんだな」と判断できたClaudeさんの優秀さよ…ちゃんと「重すぎる場合」のフォローもしてくれてる。そのへんで「ひっくり返んなやー」とかお茶かっくらってヘラヘラしてる父ちゃんなんかよりずっと優秀。

 

てなわけでみんなClaudeはいいぞ。

最新情報は持ってないけど(2023/8までの情報しかない)それは別のAIに任せればよし。

翻訳なんかもかなりの精度でこなしてくれますし、文章の添削なども的確。コーディングも得意らしいけどわたしは専門外なのでその辺はモゴモゴ

 

というわけで、AIなんて…と思ってたら人間以上に優秀なモデルもあるよーという話でした。

愛すべき鳥ドードーの悲劇〜私たちにもできる取り組み

1.ドードーへのインタビュー

 

どうも。インタビューとかいうものだそうですね。私ですか、いや、名前なんかありませんが…えっ、私はドードーという名前の鳥なんですか。では…そうなんでしょうね。私もこれから自分たちのことをドードーと呼ぶ事にしますよ。

ここはモーリシャスという島らしいです。私たちの群れの、物知りの長老が言っていました。大昔は飛べたらしいです。信じられませんね…空にいるあの鳥みたいに…そういえばあなた、私のことを鳥って言いましたよね。我々が鳥だったなんてなぁ…

とにかく、あの痩せてて飛んでる鳥みたいに飛べたんだそうですけどね。我々もそうだったのかぁ…えっ…この、胴体についてるやつ? これで飛ぶんですか。へえ…全然考えたこともないですが、飛んでいる鳥を見ていると、なんだか疲れそうなんで、やめておきますよ。

我々の食事ですか。ああ、不自由はしていませんよ。そこらに果物があるし、木の実も落ちています。そら、このクチバシで割るんです。おひとついかが? …あ、いらないんですか。残念です…

飛べなくなった理由…多分、長老も知らないと思います。別に、あんなにバサバサして忙しそうにして暮らすとか、我々にはわからない感覚です。ずうっとこの島で、もう何万年だかわからないくらいの時を、我々は生きているらしいですからね。歩けば、美味そうな木の実や果物がすぐに見つかる。飛んでも意味ないじゃないですか。あ、そういえばこの木の芽、すごく美味いんですよ。え、あなた食べたくないんですか。おかしな人だなぁ…

飛ぶ鳥は、我々がのんびりしていていいなぁって言いますけど、のんびりって何ですか。我々の暮らしぶり? そうですか、はあ、ドードーの天国…よくわかりませんが、そうなんでしょうね。

じゃあそろそろいいですか。カミさんが待ってるんですよ、タマゴを温める順番が来るんで。

タマゴの数? 変なことを聞くなぁ。ひとつに決まってるじゃないですか。えっ…冗談じゃない、そんなにたくさん産めませんよ。子供がたくさんいたほうがいいんですかね…ひとりを大事に育てるのが普通じゃないかと思うんですけども、違います?

では、これで失礼しますよ。



2.突然の敵

 

このように、ドードーたちは数万年以上、天敵もおらずゆったりと暮らしてきました。その環境に馴染んだからこそのドードーの巨体、そして飛ぶ能力がなくなり、繁殖力も低くなりました。モーリシャス島という孤島に住み続けた結果です。これを島嶼化現象といいます。

 

しかし、その天国は突然破壊されます。1598年、オランダ人たちがモーリシャス島に上陸しました。

ドードーたちは、新しい感情…恐怖を感じる暇もなかったでしょう。人間たちは、飛べなくて大きなドードーを、大喜びで狩りました。

 

航海中には新鮮な肉が手に入りにくいですが、ドードーは大きい鳥ですから、食べごたえのある貴重なタンパク源にされました。ふわふわな羽毛も、羽枕や羽根布団に重宝したようです。また脂も沢山取れました。灯りのための油として、また新鮮な調理油として…ドードーは利用しつくされました。

 

また、狩猟というゲームの対象としても格好の獲物でした。飛べなくて不格好なドードーを、人間たちは面白がってどんどん殺しました。

 

せめて、ひなや卵だけでも…

そんなドードーたちの思いも絶たれました。人間たちが持ち込んだ動物、つまりモーリシャス島にはそれまでいなかったブタやサルやラット、ネコのようなものですが(外来種といいます)それらはドードーの卵やひなを狙いました。

 

推測では、人間たちが初めてモーリシャス島に上陸した当時には、数千羽のドードーがいたとされますが、人間や外来種、そしてサトウキビ畑などにするために行われた森林の伐採による生息地の破壊は、そのドードーをあっという間に絶滅させました。

 

大型の鳥であるドードーの寿命は長く、一説では30〜50年は生きたのではないかと言われますが、最後の目撃例は1662年です。

18世紀末までには完全に絶滅したと考えられていますが、数万年、敵もおらずのんびり幸せに暮らしていただろうドードーたちは、恐怖に脅かされるようになり、わけもわからず狩られ、子供たちも殺されて、住まいもなくなり、100年もしないうちに死に絶えてしまったのです。

人間の自分勝手な欲望と、無責任な外来種の持ち込み。それがドードーの絶滅という悲劇を生みました。

 

当時は希少種の保護という概念はありませんでした。ほんの少しでも、この珍しい鳥たちに対する哀れみがあったなら、ドードーたちはわずかながらでも生き延びられたかもしれません。



3.ドードーを惜しむ

 

愛すべき悲劇の鳥、ドードー

それが絶滅してしまったことを知ったアーティストたちは、ドードーを惜しみ、その姿を描き残しました。

 

ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に描かれたドードーは有名です。原書の挿絵を描いたジョン・テニエルは、実際の剥製を見てドードーを描いたと言われています。

このドードーは、アリスとともにヘンテコな堂々巡り「コーカス・レース」に参加します。そこでドードーは 「全員が勝者で、みんなに賞品をあげなくては」と提案します。ドードーの温厚で平和的な性格は、何万年ものんびり暮らしてきたドードーたちの面影がよく出ています。

 

絵画の世界でも、ドードーは多くの芸術家に描かれてきました。その中でも特に有名なのが、ルーラント・サーフェリーの「ドードー」です。現在ロンドンの自然史博物館に所蔵されているこの絵は、「アリス」の挿絵同様に実際の剥製をモデルにしたと言われています。サーフェリーは、ドードーの特徴をリアルに捉えており、この絵は絶滅したドードーへの関心を呼び起こす上で、重要な役割を果たしました。

 

昔に描かれたこれらの絵は、剥製をモデルにしたということですが、実は現代には、本物の剥製はありません。唯一の剥製が1683年にオックスフォードのアシュモレアン博物館に収蔵されましたが、管理状態の悪さから1755年に焼却処分されてしまいました。今、ドードーの標本は全身骨格を残すのみです。もはやイラストや絵画から、ドードーの面影を探すことしか出来ないのです。

 

現代、ドードーは絶滅動物の象徴として、環境保護のキャンペーンなどにも登場します。愛らしいドードーのイラストは、悲劇を思い起こさせ、自然保護の大切さを訴えかけます。

 

今、ドードーは故郷のモーリシャス島ではなく、芸術の世界から、現代社会にメッセージを送り続けています。ドードーは、生物多様性の大切さを伝えるシンボルとして、これからも芸術の中で生き続けていくのでしょう。



4.ドードーの悲劇を繰り返さないために

 

ドードーの悲劇は、私たち人間に大きな教訓を残しました。自然との共生の大切さ、そして生物多様性を守ることの重要性です。

現在、地球上には数多くの絶滅危惧種が存在しています。ドードーと同じように、人間のエゴや環境破壊の脅威にさらされているのです。ドードーの悲劇を繰り返さないためにも、これらの生物を保護する取り組みを進めていかなければなりません。

絶滅危惧種を守るための国際的な取り組みとして、「レッドリスト」と「ワシントン条約」が挙げられます。

 

レッドリスト」は、国際自然保護連合(IUCN)が作成する、絶滅の危機に瀕している生物のリストです。各国の研究者が協力して、生物の個体数や生息環境の状況を評価し、絶滅のリスクの度合いを判定しています。このリストは、保護の優先度を決める上で重要な役割を果たしています。

 

ワシントン条約」は、正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」といいます。絶滅危惧種の国際取引を規制することで、乱獲や密猟から生物を守ることを目的としています。現在、180以上の国と地域が加盟しており、国際的な協力体制が築かれています。

 

これらの国際的な取り組みに加え、各国政府や地方自治体、NGOなどが連携して、絶滅危惧種の保護活動を行っています。保護区の設定、生息環境の復元、繁殖プログラムの実施など、様々な保全活動が行われています。

 

ドードーの悲劇は、私たちに自然の大切さを教えてくれました。絶滅は、その生物だけの問題ではありません。生態系のバランスを崩し、結果として私たち人間の生活にも影響を及ぼすのです。

ドードーのように、もう二度と戻らない生物を増やさないためにも、絶滅危惧種の保護に力を尽くすべきです。一人一人の意識と行動が、地球上の生物多様性を守る鍵となるのです。



  1. まとめ

 

今回、ドードーを主人公に、絶滅危惧種生物多様性の問題を取り上げました。しかし、ドードーのように失われてしまった生物は、私たち日本人の身近にもいます。

トキという鳥に代表される動物たちです。

 

日本最後のメスのトキ「キン」は、保護のため佐渡トキ保護センターで飼育されていましたが、1971年10月10日に死亡、推定年齢は36歳でした。

トキの野生絶滅は、高度経済成長期の環境破壊や農薬の使用が原因と考えられており、自然保護の重要性を広く認識させるきっかけとなりました。やはりこれも、人間の傲慢さが呼んだ悲劇には違いありません。

 

一人一人がこの問題を直視していきましょう。ドードーだけではなく、他の絶滅種や絶滅危惧種について学び、生物多様性の大切さを知ってください。また環境破壊に繋がる過剰包装や食品ロスをやめることなども、小さな一歩ですが野生動物たちの生息環境を守るために非常に大切なことです。

 

もう、ドードーの悲劇は繰り返してはならないのです。

 

ジャガイモを煮崩すな!科学的メカニズムと対策

はい、こんにちは。てんてけです。

前回の記事を読んでくださった方からリクエストをいただきました。

「カレーの芋が溶ける件について」

 

すみません一行で終わります

 

と一旦は逃げたものの、よく考えたらネタになりました。「なぜジャガイモが煮崩れを起こすかのメカニズムと、煮崩れさせないポイント」という視点に変えれば書ける、と。

 

では、一読のほどよろしくお願いします。

 

【ジャガイモはなぜ煮崩れるのか】

 

実は、科学的に解明されていました。

これは、ジャガイモという野菜(植物)の細胞の特性によるものです。

 

1.細胞壁が薄いから

ジャガイモの細胞壁は薄く、加熱により容易に破壊されてしまうため、煮崩れる。

 

2.デンプンが多いから

ジャガイモに多く含まれるデンプンが加熱によって糊化し(ノリ状になるということです)水分を含んで膨張するため、細胞壁が破壊されて煮崩れる。

 

3.水分が多いから

ジャガイモは水分が多いため、加熱によってその水分が放出されることで、細胞壁が破壊され煮崩れる。

 

以上が、ジャガイモが煮崩れるメカニズムです。まるで煮崩れるためにある野菜だということで一段落つきそうではあります。

 

しかし、共通事項に気がついた方がいらっしゃるかもしれません。

細胞壁の破壊」というワードです。細胞壁の破壊が起きなければ、煮崩れを起こさない。…その通りです。

 

仮説1.細胞壁の破壊が起きづらい品種のジャガイモがあるのではないか

 

あります。しかもたくさん。

とうや、メークイン、インカのめざめ、インカのひとみ、ノーザンルビー、キタムラサキ、はるか、インカルージュ、シンシア、ピルカ、グラウンドペチカ(デストロイヤー)十勝こがね、ニシユタカなど

軽く調べただけでこんなに出てきました。

これは、おそらく日本人がいかにジャガイモの煮崩れに悩まされてきたかの戦いの歴史と、いかに煮崩れないジャガイモも作り出すかの品種改良の努力の結果と言えるでしょう。

 

しかも「など」なので、他にもある模様です。

ただ、メークイン以外の品種はあまり聞いたことがありませんので、普通のスーパーでお求めになる際はメークイン一択でしょう。インカのめざめは、よく名前を目にするので、もしかしたらあるかもしれませんが。

男爵いもも煮崩れしにくいとは言われていますが、筆者の経験だと煮崩れます。(ちなみに、料理は下手です)

 

仮説2.そもそも、細胞壁を破壊せずに加熱する方法が存在するのではないか

 

あります。

 

1.できるだけ表面積を少なめにする、具体的に言うと大きめの一口大のサイズに切る

表面積を少なくすることで、水分放出の際の細胞壁へのダメージを最小限にする。

 

2.塩を少々加え、塩分で表面の細胞壁を引き締める。

 

3.大さじ1の食酢を加えて煮る

これは、ジャガイモに含まれているペクチンを固めることで、煮崩れを防ぐ方法。



【では、カレーでジャガイモを溶かさないために】

 

一般的に「ジャガイモは別茹でにして、カレーが仕上がる頃に加える」とされます。

しかし、細胞壁を壊さない方法を使うことで煮崩れを防ぐことは、論理的には可能と言えます。

ただ、食酢を加えると酸っぱいカレーになってしまうので、野菜と肉を炒めて煮る時に、食塩少々を加えるのが妥当だと思われます。

そして火加減ですが、「早く煮えるように!!」と急激に沸騰させないようにして、ジャガイモに均等に火が通るように意識すると良いでしょう。

 

個人的には「別茹でして仕上げに加える」のが、最良の方法ではないかと思いますが…もし「別茹での段階で煮崩れて困る」という場合なら、食塩または食酢の方法がいいのではないでしょうか。

 

参考になったでしょうか。

カレーにジャガイモを入れると煮崩れるから、最初から入れないという方もいますし、「カレーにジャガイモ」は、なかなか難しい、ナイーブな問題だということを思い知らされました。

 

リクエストありがとうございました。

水銀汚染?マグロの安全な食べ方とこれからできること

  1. マグロ料理の人気と魅力

 

皆さん。マグロはお好きですか。

 

マグロにアレルギーがある方もまれにはいらっしゃいますが、また生の魚に抵抗もある方もいらっしゃいますが、日本で最も好まれるのはやはり「寿司」でしょう!

アメリカでも「SUSHI」はヘルシーで美味な日本料理として親しまれています。また、他の国々でも、その国民性に合わせた寿司が創作され親しまれています。

 

特にマグロの寿司は、寿司の看板とも呼べる存在、寿司一つとっても、赤身の握り、トロも中トロや大トロなど種類がありますし、鉄火巻きやネギトロ巻き…また様々な創作寿司がありますから、これだけでは収まり切れません。

 

このように、マグロは、日本料理を代表する食材の一つです。寿司や刺身以外にも、カマの部分を焼いたり、様々な調理法で楽しまれています。

海外ではステーキなどにしても楽しまれているようです。

 

マグロの人気の秘密は、何と言ってもその味わいにあります。脂ののったトロと呼ばれる部位はとろけるような食感で、脂の甘味を楽しめますし、赤身の部位は引き締まった歯ごたえと独特の旨味があります。

それに、マグロは高タンパク・低カロリーで、DHAEPA などの健康に良い不飽和脂肪酸も豊富に含まれていますから、生魚を食べる習慣のなかった国々の人たちまでも、マグロ料理を楽しんでいます。



  1. マグロに潜む水銀汚染のリスク

 

しかし、その大人気のマグロですが、実は健康被害のリスクをはらんでいることをご存じですか。実は「水銀汚染」されている可能性が非常に高いのです。

 

マグロを含む大型魚は、水銀を体内に蓄積しやすく、これは食物連鎖のピラミッドの上位に位置するためです。マグロの主なエサは小魚類です。

まず、水銀を含んだプランクトンを小魚が食べます。そしてその小魚をマグロが食べます。つまり、マグロの体内には高濃度の水銀が蓄積されていくのです。しかも水銀は体外に放出されにくい物質ですから、体内に蓄積されやすくなります。こういった現象を「生物濃縮」といいます。

 

特に、クロマグロメバチマグロキハダマグロといった大型のマグロ類は、水銀蓄積量が高いとされています。寿命が長いので、その分たくさんの小魚を食べるからです。

部位別で見ると、内臓や血合い肉に水銀が多く含まれる傾向があります。

通常、食用にしている赤身やトロの部分には少ないとされていますが、全くないわけではありません。水銀は存在しています。これは留意しておきたいことです。



  1. 水銀が人体に与える影響

 

水銀は、人の健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に問題となるのが、メチル水銀という有機水銀化合物です。

メチル水銀は、主に汚染された海域でプランクトンが育ち、それを小魚が食べ、さらにその小魚を餌にして「生物濃縮」を起こした大型魚を口にすることで、人間の体内に取り込まれます。

 

メチル水銀を長期間にわたって体内に取り込むと、手足のしびれ、視野狭窄聴覚障害言語障害など、深刻な神経症状を引き起こすことがあります。教科書にも必ず載っている公害病でもありますが、三大公害病のひとつで、いわゆる「水俣病」です。

 

水俣病には、慢性的なものの他に、先天性水俣病があります。

妊娠中の女性がメチル水銀を体内に取り込むと、胎児の脳の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。

妊婦が体内に取り入れたメチル水銀胎盤を通して胎児に伝わってしまい、先天性水俣病を引き起こすのです。新生児に重度の脳性麻痺や知的障害が見られ、また手足への奇形も起きます。

 

「では、マグロは危ない魚…もう食べられない。怖い」

いえ、そんなことはありません。

次章で、安全にマグロを楽しむコツをご紹介します。



  1. マグロを安全に食べるための工夫

 

マグロという食文化は日本はもちろん、海外にとっても大切です。先ほどお伝えした通り、赤身やトロなどの一般的な可食部分は比較的水銀量が少ない傾向があります。そこで重要なのが、適切な摂取量と頻度を守ることです。

 

厚生労働省は、妊婦については魚介類の水銀を1週間当たり2.0μg/kg体重以下に抑えるよう推奨しています。これは、体重50kgの妊婦の場合、マグロなら1週間に80g程度が目安となります。

 

80gとは片手のひらに軽くのるくらいの量で、具体的に言うと切り身なら1切、刺身なら6~8切程度に相当します。寿司なら8貫くらいでしょうか、一般的な回転ずしなら4皿ですね。

しかも、これは1週間の目安です。たまに寿司を食べに行く程度なら全く問題はありません。安心してくださいね。

 

また、大型魚ほど水銀蓄積量が高い傾向にあるため、小型のマグロを選ぶのも一つの方法です。部位で言えば、内臓や血合い肉より、赤身やトロの部位を選ぶことで、さらに水銀の摂取量を減らせます。

マグロは一般的に天然ものがもてはやされていますが、実は養殖ものの方が水銀摂取のリスクが低いのです。意外かもしれませんね。

 

加えて、マグロ以外の魚介類もバランス良く食べることが大切です。マグロばかり食べ続けるような極端なことをしなければ、大きな問題にはなりにくいとされています。

大切なのは、バランスのとれた食事です。大型魚類など水銀汚染リスクの高い魚の食べ過ぎに注意しましょう。

日本は食のタブーがほとんどない、様々な食材が揃う珍しい国です。多彩な食材からメニューを選ぶようにしましょう。



  1. 水銀汚染を防ぐための取り組み

 

マグロの水銀汚染は、海洋環境の汚染が原因です。今に始まったことではないのです。

工場排水や火力発電などに由来する水銀が、河川や海に流れ込み、食物連鎖を通じて魚介類に蓄積されるのです。中でも食物連鎖のトップの大型魚にリスクが高いのは、先述の通りです。

先述の水俣病も、長年にわたるメチル水銀を含んだ工場排水が原因です。当時はなかなか原因がわからず、水俣周辺の住民は、知らないうちにメチル水銀を含んだ汚染された魚介類を、長年口にしていました。

 

この問題に対処するには、国際的な協力が不可欠です。2013年には「水銀に関する水俣条約」が採択され、水銀の供給、使用、排出、廃棄を規制する取り組みが進められています。もちろん、日本も加盟国の一つです。

 

わたしたちにできることも、もちろんあります。

無駄なエネルギーの使用は控えること。

水銀が使われたものは避けること。

もちろん一日二日ではありません。長い取り組みが必要です。

ですが、こうした小さなことの積み重ねが、未来の安全な海につながっていきます。

 

安全な海で取れた魚介類は、きっと今以上に美味しいはずですから!